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情報の読み方②

 今朝の日経新聞では、シティとバンカメの決算の記事が出ています。要約すれば、2四半期連続の黒字決算ではあるが、貸倒引当金の計上が急増しており、本業(個人貸出)は赤字で収益環境は厳しい(証券部門等、本業以外が悪くなれば、7~9月期の収益が低迷する)のというネガティブな記事です。この記事も、そのまま読むことはできません。というか、この記事は論理的に間違っています。
 
 会計的な話になりますが、引当金というのは、将来の損失に備えるものです。いわば、損失の先取りをしているわけです。極端な例を示せば、すべての債権等に貸し倒れ引当金を積んでおけば、将来、それらの債権がいくら貸倒れたところで、事前に損失を計上しているわけですから、損失は全く発生しません。引当金を積んだ債権の一部でも返済されれば、それらはすべて利益になって帰ってきます。
 すなわち、引当金を積んだ部分については、将来利益となって帰ってくることはあっても、損失となってしまうことはないのです。
 したがって、貸倒引当金が急増→将来の収益の低迷の可能性といった論調は誤りです。記事に記載されている事実だけなら、貸倒引当金が急増→将来の損失に備えた→本業が悪くても、収益は悪くならないといった書き方が正しいといえます。
 
 引当金については、いくら積んだとか、去年の何倍だとかそんなことは問題ではありません。問題にすべきは、引当金を積んだ額が十分か不十分かです。どんなに多額の引当金を積んでも、それが不十分であれば、将来、更なる損失が発生します。(隠れ債務なんて呼ばれて、去年の11月ごろは、みんなが疑心暗鬼になって、金融機能が麻痺してしまいました。)
 日経新聞の記事を正しく論理展開するには、貸倒引当金が急増→それでも引当金は不十分→将来の損失発生→収益が低迷ということになります。
 報道機関に求められるのは、取材や決算内容を精査することで、「それでも引当金は不十分」ということを、論拠を示して説明することにあると思うのですが・・・。最初から結論ありきの記事にみえます。

 日本のバブル崩壊後の金融機関の例で言えば、最初は引当金の計上が足りない状態が続きます(経営者が赤字決算をきらうこともありまが、自己資本規制の影響が大きかったと思います)。その後、国が強制的に資本注入し、銀行の体力を回復させた上で引当金を計上させました。この時の引当金は、十分過ぎるほどに積んだため、将来、利益で跳ね返ってきました。

 今回の、シティやバンカメの決算の詳細は見ていないし、会計士の監査もないので、引当金が十分かどうかはわかりません。ただ、多額の引当金を計上できるほどに米銀の体力が回復していることは事実だと思います。
 個人的な見解ですが、現時点では、この決算発表はポジティブに捉えていいと思います。
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No title

債券は価値が下落するけどゼロ以下にはならないから無限に損失が膨らむことはないということですね。

要は引当金を30%の価格下落まで積んでいるか50%までかで違うわけですね。

あるいは新規にリスクの高い債券を増やしているかどうかですね。この点は成績を伸ばしたい行員の独走がないともいえませんが。

何にしても債券の総額に対していくら引当金があるか知りたいですね。


ぽち3

No title

masaruさん
こんにちわ

アメリカは成績がよければ報酬が上がるので、危険な取引に手を出しやすい環境にあります。最初に高い利益を上げて、多額の報酬をもらっておけば、翌年、多額の損失を出しても、クビになるだけです。以前の報酬まで返せとは言われません。

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